CHAPTER.6 ホノルル5日目(10/2)
今日は、早いもので最終日。ハナウマベイで一日たっぷり遊ぶ予定でいます。ハナウマベイへの交通手段は、いろいろとあるのですが、バスは始発の停留場から乗らないと満席で乗れなかったり、トロリーを利用するのなら、これまた、かなりの「運」が左右するらしいとのことで、行きはもちろん、帰りのことを考えたら、私たちは「タクシー」がイイね。という結論に至り、朝9時にタクシーを呼びました。ドライバーの方は、アジア系の方で、小さい頃からハワイに住んでいるとのこと。ですから、日本語は少々、ほとんど英語しか話せません。実は、ごくうくんは上海にいた頃、ホテルマンとして働いていたため、少し英語が喋れるのです。ごくうくん、この旅では、自分の「英語力」をあらゆる場面で試そうとしていたのか、かなりいろいろなところで、いろいろな人と「ベラベラ」していました(笑)。いくら「ハワイでは日本語が通じる」といえども、私にとっては、大変心強いもので、改めてごくうくんを尊敬してしまいました。(手前ミソですみません)。話は横道にそれましたが、ごくうくんの「英語力腕試し」?はもちろんタクシーの中でも実施!弾丸のようにドライバーさんに質問をぶつけていきます。私には聞き取れないほどの速さと発音で(私の実力不足・・・)、でもドライバーさんが答えてるということは、ちゃんと通じてるんだ・・・なんて思いながら、ハナウマベイまでの道のりを楽しむことができました。帰る時間に合わせて、また迎えに来てくれるようにお願いして、ひとまずドライバーさんとはお別れです。
下車すると、この前観光で来た展望台が見えてきます。そこを通過して、しばらく歩くと入場ゲートがあり、そこで入場料1人3ドルを払います。もちろん、そこでのやりとりもごくうくんにおまかせ。そこではチケット売り場のオバサンに、私はごくうくんの子供と勘違いされたようです(笑)。私たちは30センチも身長の差があるからねぇ。
チケットを受け取ってから、ハナウマベイに関するビデオを見せられます。これは、こんなにキレイな環境を、みんなでずっと守っていきましょう!というような、ここを訪れる人たちの「士気」を高めるような内容でした。もちろん、守るべきルールも盛り込まれています。(前回来た時は、ビデオ上映はありませんでした)。
約20分ほどのビデオを見終わると、いよいよ眼下にあるハナウマベイで戯れる時間がやってきました!とはいうものの、目的地までは長~いくだり坂を歩いていかなければなりません。1人1ドル出せば、この激しい坂道を上り下りするためだけにある、トロリーで一気に突破することもできますが、この手段は上る時にこそ使うべきだ!という判断に至りました。なんて、もったいぶっているところなんだ!ご馳走はすぐ目の前(眼の下)にあるというのに・・・。でも、心の余裕(?)さえあれば、雄大な景色を味わいながら、坂道下りを楽しむことができます。残念ながら、私には目の前のご馳走のことしかアタマにありませんでした。が、しかし、後ろを見るとごくうくんはデジカメでカシャカシャ!この素晴らしい景色をカメラにおさめまくっています。アッパレ!ハナウマ初心者!
ここで、今さら・・・という話題に移りたいのですが、実は私、海が苦手なのです。というより、怖いのです。でも自慢じゃありませんが、水泳にいたっては、小学生の時に長い間習っていたこともあり、そこそこ泳げるつもりなのですが、、、と人に話すと「泳げるんだったら平気じゃない」と軽く聞き流されてしまいます。しかし、海とプールは違います。私にはもう1つ苦手なものがあります。それは「水族館」。そうです。お魚類が怖いのです。海の中って、きっと素性の知れない生き物がたっくさんいるはずで、それが見えない、しかも大きい(実は大きいものも苦手)となったら私には、気絶するしかありません!水族館で見るエイなんかが、本気で海の中にいたらどうです!クジラのシッポが近くに見えたらどうです!その近くで海水浴なんかしていられますかぁ!当初、ごくうくんは「ダイビング」をしたかったらしいのですが、実はこの件に関して、夫婦間でだいぶモメたのです。ダイビングだなんて・・・私がいったい、何を悪いことしたと言うの・・・。これって罰ゲームだ、マリンレジャーでもなんでもない。ダイビングしたら、絶対パニくってしまう自信がありますし。結局、いろいろとごくうくんに訴えた甲斐がありまして「シュノーケル」で妥協していただいたのです。 ごくうくんは「マイシュノーケリングセット」も持ってるしね(千葉の鴨川にて購入)。
海大好き、お魚大好きなごくうくんには本当に気の毒だとは思いましたが、私にとっては命に関わることですので、今回は譲歩してもらいました。
さてさて、ごくうくんは日焼け止めクリームもまともに塗らないまま、持参したシュノーケル一式を装着して、海へ一直線!私は、浮き輪を装着して、いざ海の中へ。
展望台から見ていた時は、こんなに透明な水の中なら、いつもの恐怖心もなくなるだろう。とタカをくくっていたのですが、やっぱり怖いです。しかもハナウマはお魚の宝庫、シュノーケリングのメッカですから、いくら熱帯魚級のキレイなお魚でも、私にしてみれば「素性の知れない魚」になるのです。そんなのが足元をウヨウヨしてるのかと思うと・・・。私は浮き輪をつけて、足は海底に触れないように、常に上がっている状態で海面を浮遊していました(この姿の方がコワイ)。ハナウマではシュノーケルの格好をしている人の数が圧倒的に多くて、私のような浮き輪スタイルの人は数える程度しかいません。正直、少し恥ずかしかったのも事実です。だって、お魚見なかったら、ハナウマベイに何しに来たんだ?と水中メガネ越しにみんなの目が訴えてくるんだもの・・・(泣)。
湯船から出るように、そそくさと砂浜に上がってひと休みしていると、ごくうくんは何か、腑に落ちない顔で戻ってきました。どうやら鴨川で買ったシュノーケルセットの出来が悪いらしく、お魚が見えないとのこと。そこで、レンタルすることにしたのです。その結果は、度の入ったレンズ(水中メガネ)を借りることができたので視力の方もUPしたということで、普段メガネを外せないごくうくんは大喜び!こうなったら、もう海の中に入ったきり戻ってきません。私はしみじみとハナウマベイの雄大さにひたっていました。長い時間(というよりは世紀)を経て自然の力によって削り取られた結果、露わになった山の斜面を眺めていました。まるで凶器になるくらいのトガった斜面は怖いくらいですが、これこそ自然そのものの姿、ハナウマベイはこのような地形に囲まれているオアシスです。荒荒しい地形の中にあるからこそ、いろいろな種類のお魚を秘めた、この透明の水はとても神秘的にみえるのですね。
シュノーケルを楽しんでいる人たちを目の前にしていると、私の中にほんの少し、変化が出てきました。ここにごくうくん持参のシュノーケルセットが余っている・・・ってことは、私に使えってことかな?
試しにメガネをして、ベルトを頭の大きさに合わせて調節していきます。何だか、ソノ気になってきたぞ。足ヒレこそつけないものの、これだけでも少し顔を水面につけたらお魚が見れるかも・・・。よし!(それでも)浮き輪を付けて、海の中へ。サンゴ礁があるところにはお魚がいる、ということなので、さっそくサンゴ礁の影らしきところで止まって、顔を半分ほど潜らせて中を見てみました。いた!いた!手の平ほどのシマシマのお魚。2・3匹います。うわぁ~感動。ホントにキレイなお魚が泳いでいるのです。人なつっこいのねぇ。私も少しは魚なつっこくならなきゃね(笑)。その時、近くにいたアメリカ人の少年たちが、「Oh!BigFish!」と笑いながら、こちらにやってきたのです。え~~~!ヤバイ。でも少し、見てみたい。少年たちの視線の先を追って、海の中をのぞくと・・・なんと私の足元で大きな黒いお魚(と呼ぶにはカワイゲのない大きさ)が動いているのです!キャァ~~~!それからはもう大変。すっかりパニくってしまいました。浮き輪を付けているにもかかわらず、まるで溺れているのか、もしくは踊っているのか?というようなコッケイな動きをして慌ててしまいました。アメリカの少年たちは、私のこの姿をいったいどのような思いで見ていたのでしょう・・・。そんなことを考える余裕なんてありませんでした。やっぱり、私には無理かも。シュノーケリングっていわゆる「プチ・ダイビング」でしょ。もし潜っている時にあんな大きな魚に遭遇したら、本当に自分自身が冷静でいられる自信がありません。サンゴ礁の上を浮いているだけでも、私には恐ろしいひとときなのですから。
私にとっては長い午前中でした。お腹も空いてきたので、昼食をとることにしたのですが、長い坂を上らないと食べ物にはありつけないらしいのです。というわけで、ここでは1ドル出してトロリーでラクしてしまいました。その頃にはごくうくんも私も真っ黒になっていました。私にかぎってはなぜか、鼻の頭だけが赤くなってしまい、まるでコントに出てくる酔っ払いのようです(恥)。坂を上りきると、レストランではなく売店があり、そこでホットドッグ2つとスパムむすびという、ハワイの厚切りハムを具にしたおむすびと、ペプシを買って、その場で食べました。それが大変おいしくって、やはりオイシイ空気の中で食べると何でもおいしいんですね。しかも久々に食べた、いい感じに湿ったのり&ゴハンのコンビは絶品!おいしそうにおむすびを頬張る私を見て、ごくうくんは「君はやっぱり日本人なんだねぇ」とポツリ。少し寂しそうに聞こえたのは気のせいでしょうか?
腹ごしらえもして、ハナウマ後半戦です。午前中とはちがう場所にビニールシートを敷き、私は食後のひと休み、ごくうくんは1分でも惜しむかのように、さっさと海の中へ。私は午前中の「巨大魚遭遇事件」がかなり尾を引いていたのか、なかなか海に入る気になれませんでした。お魚がダメなら、人間観察しかありませんね。それにしても、今さら感心することでもないですけど、外国の女性って、どうしてあんなにスタイルがよろしいのでしょうか・・・。最近は日本人女性だってかなりスタイルが良くなってきているとはいえ、藤原紀香はそうそうお目見えしません。それに金髪、青い目、神様は不公平だ!スタイルが悪かったら、せめて凹凸のあるお顔を与えてくだされば納得できたのに・・・。ちょうど、私たちの隣に金髪アメリカンファミリーがいらしていて、ママが子供たちと戯れるシーンなんて、本当に映画を見ているようで美しい絵でした。同じようなサングラスをしているつもりでも、どうして私の場合はこんなにもアヤシくなってしまうのでしょう(泣)。
金髪ママを見るたびに、私からは憧れと落胆のためいきが、漏れるばかりです・・・。反対側のこれまた金髪カップルは、ハナウマベイにきてトランプに興じていました。2人ともキャップを目深にかぶり、カードを切りながら笑い声が上がります。ワァオッ、こっちも素敵な金髪コンビだこと!うらやましいなぁ。絵になる2人。
海からは、現実(ごくうくん)が戻ってきました。そろそろ帰る時間です。帰りのタクシーは4時に呼んであります。存分に使ったシュノーケルセットを返しに行き、シャワーで砂を落とし、また坂道を上りのトロリーでラクしてしまいました。そして、このトロリーのドライバーさんが、すっごくカッコイイ!ナイスガイ!タイプ!いわゆる、外国人さんのノリで常にガムを噛みながら、体でリズムをとっている感じ。顔も小さく、金髪のドレッドは彼以外に似合う人はいない!ってくらいキュートでした。
ハナウマベイ、また来るね!ドレッドのお兄さん、また来るね!
心の中でお別れを言って、駐車場へ向かうと、すでにタクシーは待機していました。帰り道もまた、ごくうくんとドライバーさんの英会話を聞きながら、アっという間にホテルに到着です。お礼を言いお金を渡して、お別れです。とてもフレンドリーに対応してくれて、本当に楽しいドライブでした。
部屋に戻って、2人ともシャワーを浴びてひと休み。空気を抜いた浮き輪を、ぼんやりと眺めていると、嫌でも旅の終わりが近いことを感じてしまいます。最後のサンセットもやはり海で!ABCストアでクランベリージュースとマウイスタイルというポテトチップスを買って、サンセットに備えます。
サンセットは、ゆっくりと、しかし日が沈み始めるとアっという間に、地平線の向こうに姿を消してしまいました。こんなにキレイな夕日を眺めることも、しばらくはできないだろうなぁ・・・。ハワイにいると、あたり前のことにとても感動できるのです。早起きすることがちっとも苦にならないほどの、朝日を浴びる心地良さ、そして、地球は動いているんだなぁ、と実感できるほどの素晴らしい夕日。太陽って本当に丸くて大きいものなんですね!
ハワイ最後のディナーはやはり、私たちらしくIMPでシメました。いつものフードコートより、もう少し奥にある1件の中華料理屋さんにしました。最初、ごくうくんは日本語で注文しましたが、面倒くさくなったのか中国語で話し始めたところ、お店の人は親近感を感じてくれたらしく、お店が閉店間際だったこともあり、たくさんオマケしてもらいました。お店の人によると、残ったら全部捨ててしまうらしいので「全部食べていって!」なんて言っていたらしいのです(笑)。私には言葉こそわかりませんが、近所のオバチャンのようなイイ意味での親近感を感じ、オバチャンの「誰でも知り合い」的接し方はとてもあたたかな気持ちにさせてくれました。食後はブラブラと夜のカラカウア通りをお散歩しながら、しっかりとこの目に焼き付けておきました。途中、何の気なしに入った有名画家さんのギャラリーで、絵を売りつけられそうになりましたが、それも今となっては楽しい思い出です。ホテルに帰れば、さぁ、荷造りが待っています。
旅行中に買ったお土産を、ひととおり出しながら整理するのも、これまた私にとっては楽しい作業のひとつです。明日使うもの以外は、全てスーツケースに収めなければなりません。明日は朝6時過ぎには荷物を取りにきます。
簡単にしまい終えてから、ごくうくんによる最終段階の荷造りが終わる頃には、私はベッドの中でグッスリしていました。